パチンコ店の業況、回復傾向続く パチスロ稼働好調の一方、パチンコは稼働、新台購入費とも低迷
グリーンべると2023年7月13日
シーズリサーチはこのほど、「第93回 パチンコ景気動向指数(DI)調査」を実施し、7月13日にその結果を公開した。
この調査は、ホール経営の業況の良し悪しを3か月ごとに定期的に調べるもの。DI値は、調査対象のホール企業に「良い」「さほど良くない」「悪い」という選択肢の質問を行い、+100~-100までの値を算出する。プラスなら景気拡大期、マイナスなら景気減速期と判断される。今回の調査は今年6月15日から6月30日にかけて実施され、57のホール企業から回答を得た。
過去1カ月の収益や売上、粗利から判断した全般的業況は14.1ポイント(前回比15.5ポイント向上)まで大幅に回復し、3カ月後はさらに18.8ポイントまで回復すると予測されている。
遊技料金別の稼働状況では、20円と低貸メダルのパチスロが好調だが、一方で4円パチンコは低迷が続いている。また、パチスロ新台の購入費は好調を維持しているのに対し、パチンコ新台は大幅に落ち込んでいる。
稼働状況と新台購入費をもう少し詳しく見ていくと、稼働状況についてパチンコは▲57.0ポイント(前回比17.3ポイント悪化)まで落ち込んだ。しかし、パチスロは47.7ポイント(前回比20.7ポイント良化)まで大幅に回復し、3カ月後も47.7ポイントを維持する見込みとなっている。
遊技機の購入費は、購入費の増減差(増やす予定-減らす予定)で見ると、パチンコ新台が▲41.8ポイント(前回比34.4悪化)と大幅に低下。一方のパチスロ新台は、48.2ポイントとプラス圏を大幅に上回る結果を維持している。
業況や自社の経営に関するホール関係者のコメントは以下の通り。
・4 円パチンコの稼働が極めて低調である 。自社・市場含めて玉粗利が高すぎることに尽きるのだが、改善する原資がない。パチンコ内規改正(TS200 未満の総量規制の増加)は見方が分かれるところだが、初当り投資額を低めに抑えながらも一発長打の夢があるスペックに期待したいし、メーカーも流れを変えるような機械を作りこんでほしい(関東・大規模事業者)。
・ユニット不足以上に遊技機が不足しており、結果の出た需要のある遊技機の増産スピードがコロナ前と比べて回復していない。メーカーの部材・生産能力不足なのだろうか。渋って抱き合わせを増やしたいのだろうか。ファン需要に応えるメーカーの生産活動を望む(関東・小規模事業者)。
・パチスロ好調 、パチンコ不調の傾向にある中で、パチンコの付き合い機種をリリースするメーカーは業界を潰したいのだろうか。上場メーカーを存続させるためにパチンコ店があるわけではない(関東・中規模事業者)。
・お客様 に支持されるスマパチが一刻も早く登場することを期待している(九州・大規模事業者)。