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パチンコ業界ニュース

MIRAIぱちんこ産業連盟新代表理事・金光淳用氏インタビュー 遊技通信2023年6月27日

アイデアを実現するための「ハブ」になる団体に
5月17日に開催されたMIRAIぱちんこ産業連盟の定時社員総会で、同友会とMIRAIでこれまで代表理事を務めてきた東野昌一氏が退任し、新代表理事に金光淳用氏が選任された。パチスロ6.5号機やスマート遊技機の導入が開始されるなど、業界環境に明るい兆しが見え始めたなかで、業界の「未来」を見据た連盟の運営方針や東野氏から受け継いだ重責を全うするための意気込みを聞いた。

—金光代表理事が組合活動に参加された経緯についてお聞かせください
金光 私の父は、千葉県遊協の副理事長を務めていたのですが、CR機の導入前後に組合の進めるやり方だけではこの業界は良くならないと考えて、日遊協が設立されたころに知り合いになったダイナムの佐藤洋治さんやニラクの谷口晶貴さん、松岡商事の松岡英吉さんと新団体の発足に向けて活動を開始しました。その後、私の父は同友会を発足し、副代表として業界活動に力を入れていました。その時に当時いらっしゃった山水の平澤黎哲さんが青年部会を作ろうと提案したときに、父からお前は青年部会に行けと言われて始めたのが、業界活動の入り口でした。

—その時には、東野前代表理事が同友会の理事を務めていたそうですが、東野氏と一緒に組合活動を始めた時にどのような印象を受けましたか
金光
 初めてお会いした時に「明るく元気な人」という印象を受けました。当時平成観光様は4店舗か5店舗ぐらいの規模でしたが、これからどんどん店を増やしていきたいとおっしゃっていました。東野さんは、マルハン様の経営スタイルを熱心に研究していて、それを経営理念として取り入れるなど、とても勢いのある方でした。

—同友会の活動で最初に始めた取り組みはどのような物だったのでしょうか
金光 何もないところから青年部を立ち上げたので、若手が中心になっているメンバーで何ができるのか考えていました。その時に同友会に加入していたNEXUSグループの星野敏さんや夢コーポレーションの加藤英則さんと一緒に、現場の改革・改善を中心に着手しようということで始めたのが「店舗視察」と、店舗の従業員を交換しあって現場を互いに見せ合う「人事交流」です。

—MIRAIでは、現在も定期的に店舗視察(ストアコンパリゾン)を行っていますが、営業戦略を同業者や競合店に見せるという点で、こうした活動に異議を唱える人もいたのでしょうか
金光 そこが全国組織の強みで、地元だけでやっていると直近の競合店に自分の店の戦略を見せたり、従業員を送り込むということに躊躇する人もいると思いますが、直接的な利害関係がない間柄であればそうした問題は起こりません。元々同友会は、県を越えての出店や台数規制、定休日といった当時のしがらみにとらわれない「改革者」が集まっている団体でした。情報開示に関しても、新しい取組みに積極的な人が集まっていたからこそ、ストアコンパリゾンや人事交流が可能になったのだと思います。

—パチンコ・チェーンストア協会(PCSA)と同友会が合併することについて、双方の会員間で賛成・反対の意見や反発などはあったのしょうか
金光 会員間で主義主張の差が生まれたことで、同友会とPCSAが分かれたのですが、実際に合併協議をしていたメンバーは、元の鞘に戻る的な意識もあっと思います。一部には合併することで同友会とPCSAの特徴が失われてしまうのではないかといった意見もありましたが、元々同友会にいた人たちで作ったのがPCSAですし、私は当時両方の団体に入っていたので、違和感なく合併できると思っていました。

𔃊つの会が合併することで生まれるシナジーもあると思います
金光 合併協議をしていたのは2020年の2月頃で、新型コロナの感染拡大が始まった時期の真っ最中でした。同年10月に「MIRAIぱちんこ産業連盟」の発足を発表しましたが、緊急事態宣言時に休業要請を守らなかった店舗がいくつかあったことで、パチンコ業界が各方面から大きなバッシングを受けたのは記憶が強く残る時期でした。私がこの業界に入った時には、店舗数が1万6000店ほどありましたが、合併時には1万店を切っていて、これからもっと縮小していくのではないかという危機感も持っていました。そのような状況下で双方の強みを活かすという意味でも、同友会とPCSAの合併は必然だったと思います。

—代表理事となったことで、東野前代表理事がこれまで築き上げてきた理念や施策を継承するだけでなく、新たに力を入れたい取組みなどはありますか
金光
 これまでMIRAIが掲げてきた団体の理念が変わることはありません。業界と社会の接点という観点で言うと、政治との接点づくりについて、選挙の活動も含めて「点と点」のお付き合いだったものを「面と面」のお付き合いに変化させたのが東野さんの任期に注力していた活動でした。行政も業界の課題や意見をしっかり受け止めて対応頂き、他業種で行われているような一般的な広告・宣伝を行える環境整備が進みました。こうした成果に基づいて、私も次の取組みを模索していければと思います。

—MIRAIが掲げているビジョンの中に「遊びの民主主義を追求しよう」というものがあります。このビジョンに込めた想いはどのような物だったのでしょうか
金光 「民主主義」というビジョンを掲げたのは、真の主権者はお客様なのではないかと思ったからです。その方々が、よりワクワク・ドキドキできる環境を整えたい一方、野放図にやって良いということではなく、お酒や公営ギャンブルと同じように一定の規制も必要となります。こうした枠組み中で、お客様が遊びたいと思う環境を生み出す窓口が遊技業界です。デジタルの中だけで処理される「バーチャル」ではなく、玉の軌道やリールの回転など、有体物の動きが伴った「リアル」な体験は、人間の心に刺さる重要な要素です。玉やメダルに直に触れることが無くなる「スマート遊技機」は、今後メーカーが試行錯誤しながらゲーム性を追求していくと思いますが、単に遊技の結果として景品を獲得できるだけではなく、そのプロセスの中に高揚感を生み出すことができる素晴らしいインフラを作って頂いたと感じており、新規顧客の開拓や休眠層の呼び戻しにも貢献してくれることを期待しています。

—先日開催されたMIRAIの総会で、金光代表理事は、業界が他業界から立ち遅れてる部分として「デジタル化」を挙げていました。スーパーマーケットやゲームセンターなどでも電子マネーが使用出来ることが当たり前になっている一方で、業界特有の課題をクリアするためのハードルは高いと思いますが、MIRAIでも今後、デジタル化を推進するための取組みは積極的に推進していくのでしょうか
金光 射幸性を伴うレジャーでいうと公営競技や宝くじは、ネットを通じて購入できます。パチンコ営業は今のところ、実店舗でしか顧客との接点がありませんが、世界的に見るとギャンブリング・ゲーミングは、カジノに行かなくてもゲームに参加できる環境を整えてきています。これだけネットワークが広がってる時代の中では、パチンコ店に限らずその他のアミューズメント施設でも、実店舗だけでなく顧客接点を拡張させる変化が広がっていくはずです。そのために必要となる電子マネー(キャッシュレス決済)の導入は、システム使用料や依存問題との絡みもあるので、すぐに実現することは難しいかも知れませんが、パチンコ業界でも検討していく必要のあるテーマだと思います。

—最後にパチンコ業界関係者に向けてメッセージをお願いします
金光
 今後のMIRAIには、東野さんが作り上げてくださった成果の延長線ではなく、線を飛び越えたイノベーションが求められています。アイデアを生み出すだけではなく、それを実際に実行していくためには他団体との連携が必須要件となります。私は、全日遊連や日遊協、余暇進と親密・緊密に腹を割った話をしながら、アイデアを実現するための「ハブ」になりたいので、今後のMIRAIの活動にご期待ください。

金光淳用代表理事のプロフィール
1996年3月      慶應義塾大学経済学部卒業
同年3月           大手化学メーカーに入社
2000年2月      株式会社ヒカリシステムに入社
同年5月           同社取締役に就任
2004年11月    同社代表取締役社長に就任
2023年5月      MIRAIぱちんこ産業連盟代表理事に就任

 

 

 

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