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都遊協が経営者研修会、依存問題対応の課題など講演 遊技通信2022年10月24日


東京都遊協は10月19日、中野サンプラザで2022年度の経営者研修会を開催した。3年ぶりの開催となった研修会には、都内のホール経営者や幹部ら480名が参加した。
 
研修会冒頭の挨拶で阿部恭久理事長は、新型コロナ禍に見舞われたこの2年半の動きを総括した上で、「今年に入り6・5号機が登場するなど、久しぶりに未来に希望の光が見えてきた。まだまだ問題は山積み状態で手放しで歓迎できる状況ではないが、スマート遊技機の登場を契機として捉え、大幅に減少してしまったファンにふたたび興味を持っていただけるよう、来年の都遊協ファン感謝デーを活用して今までと違ったかたちで広告宣伝を実施したい」と述べ、組合員の協力を求めた。
 
研修会では、警視庁保安課風俗営業係の佐藤隆太郎係長が行政講話を行い、「違反には、店の売上を伸ばすために違反と知っていながら法や規則を犯すものと、経営サイドの勉強不足によるものとがある。当たり前のことだが、経営者はばれるかばれないか、捕まるか捕まらないかではなく、合法か違法かで判断の線引きをしてほしい」と述べた。その上で佐藤係長は、遊技くぎや構造設備の無承認変更事案、あたかも第三者によるものを装う悪質な広告宣伝、賭博行為と一線を画すための賞品の適正管理の3点に注意を促したほか、依存対策の強化と「暴力団追放三ない運動プラス1」の徹底を求めた。
 
特別講演では、都遊協の助成で大規模なギャンブル依存問題の調査、研究を行っている都留文化大学の早野慎吾教授が、「そんなにパチンコが悪いのか-懲りる文化と懲りない人たち-」と題して講演を行った。席上、早野教授は、ギャンブル依存の研究には医学的アプローチと社会学的アプローチがあるとし、2014年に厚労省が発表した「ギャンブル依存536万人」調査への疑問点とともに、それを受けた業界側が科学的反論ができなかった問題点を指摘。日本におけるギャンブルの歴史やその規制と必要性、射幸性の構成要因などを解説した上で、2020年の都遊協助成研究の大規模調査の概要を説明した。
 
早野教授は、「娯楽の多い地域ほどギャンブル依存にはなりにくい。依存の問題はパチンコを規制すればそれで済むものではなく、地域社会の問題として考えなければならない」とし、「同じ現象でも、社会的な許容や教育的配慮があった『懲りない人』という表現と違い、『依存症』という言葉には自業自得、意思が弱い、悪癖、病癖といった要素が強調され、孤立を深めている。ギャンブル依存の危険因子は複雑だが、必要なのはこれを地域社会全体の問題として捉えること」と述べた。
 
 
 
 

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